交通事故における評価損とは?特徴と請求方法を知ろう!

評価損という言葉をご存知ですか。交通事故に遭ったことで車の価値が下がることを表し、事故を起こした人に評価損を請求できることもあります。評価損の特徴や請求方法とは、どのようなものなのでしょうか。これから、評価損の特徴や計算基準・認めてもらうための方法・必要書類についてご説明します。

興味のある方は、参考にしてみてください。

評価損とはどのようなもの?

交通事故に遭うと、怪我だけでなく車も損傷します。被害を受けた場合、修理をすれば元に戻せることもあるでしょう。しかし、完全に元通りになるとは限りません。また、修理費用が足りず、外観や機能欠陥が残った状態になってしまうこともあるのです。

さらに、修理歴や事故歴が残ることで、修理車や事故車として扱われます。このように、車を売る時に、価値が下がってしまうことを「評価損」というのです。評価損は、格落ちとも呼ばれます。評価損になってしまった場合、価値の下落を補うために、加害者に費用を請求することが可能です。

これは、損害に対する精神的な慰謝料という側面もありますが、基本的には価値の下落を補う金銭的な補償になります。交通事故の示談交渉で、評価損が認められることもあるでしょう。しかし、被害者自身が示談交渉をしているだけでは、評価損を認めてもらうことは困難です。(詳細 > 交通事故示談 > アディーレ法律事務所)

示談の時点では評価損を認めない保険会社が多く、裁判をする可能性も考えられます。

評価損の計算基準とは?

評価損は、修理費の数%をもらう事例が多いです。その他にも、事故前価格の数%をもらうこともあります。裁判を通した評価損の事例では、修理費の約30%が多いようです。また、新車と中古車では、評価損の金額が変わることもあります。

評価損は価値の下落に対する損害賠償なので、新車の方が価値の下落が大きく、評価損の金額も高くなる傾向です。しかし、新車でも評価損が高いとは言い切れません。評価損の計算では「初期登録からの期間・走行距離・損傷部位・車種」を基準にして、評価損が認められるかの判断と金額設定をしています。

そのため、評価損では、初期登録からの期間が重要です。購入したばかりの車だと、価値は高い傾向があります。登録して間もないので、交通事故がなければ機能障害や外傷はない状態だったのです。

その場合、下取りなどをしたら高額になったでしょう。それができなくなったため、評価損も高く設定することができます。走行距離が短いことでも、車の価値が高くなるため評価損は高いです。

さらに、損傷の部位では、全損か分損かで金額が大きく異なります。その他に、車種も評価損を認めるかの判断基準になるでしょう。珍しい車種で、修理をするための部品や費用が高い場合、評価損も高くなる可能性があります。

全損と分損の違いとは?

交通事故などで車が破損すると、壊れ方によって「全損・分損」の2種類に分けることができます。全損とは、全体的に破損していて車の買い替えが必要な状態です。一方、分損では部分的に破損していることで、基本的には修理で直るものをいいます。

分損では修理ができるため、修理費を損害賠償にすることが多いです。片や、全損では最高裁判所の定義によると、車の買い替えが認められるため、事故前の時価もしくは中古車市場での価格程度を、損害額として請求することができます。

また、全損には、経済的全損と物理的全損の2つがあります。経済的全損は技術的な修理ができても、修理費が事故前の時価を上回ることです。修理をするよりも中古車市場での買い替えの方が安くなることをいいます。物理的全損とは、技術的に修理が不可能な状態です。

原形がわからなくなる破損や水への沈没などがあります。他にも、フレームやパネル部分が大きく破損するのも、物理的全損です。

評価損を認めてもらうためには?

事故の状況が曖昧な場合、評価損を認めてくれないこともあります。評価損を認めてもらうためには、警察に相談すること、証明する資料を集めることが重要です。まずは、警察に相談して、交通事故の実況見分をしてもらいましょう。

事故の原因や破損などの結果を記録しておきます。これは、評価損の請求時に提出する「交通事故証明書」を作成するためにも必要です。

相手と連絡先を交換し、氏名や住所などを聞いておくのもいいでしょう。また、交通事故後の様子を記録するため、様々な角度から写真撮影をしておくことも大切です。評価損の請求は、警察ではなく個人的に行います。ただし、個人での示談では認められないこともあるので、自分の加入している保険会社や法律事務所などの専門家に依頼することが少なくありません。

特に、保険会社とのトラブルを避け、裁判ではなく示談で解決するためには、専門家に相談するのがいいでしょう。

さらに、修理をする場合は、工場に見積書を作成してもらうことも必要です。金額が曖昧な場合や口頭で伝えた場合は、評価損を認めてくれないことがあります。よって、正確な費用を記載した見積書を作成して提出しましょう。

評価損の請求に必要な書類とは?

評価損を請求するための資料として、「交通事故証明書・事故減価額証明書・見積書」などがあります。また、「自分の事例に似た過去の判例」を同封するのもいいでしょう。交通事故証明書は自動車安全運転センターで取得することができます。

これは、保険会社が警察に交通事故の確認として申請するので、個人的に取得するケースは少ないです。自分で取得する場合は、窓口に行くか郵便振替で申し込みをします。なお、交通事故証明書は、警察に届け出た事故にしか対応していません。

実況見分をして記録が残っている場合にのみ、発行可能になります。よって、交通事故後に警察へ相談して、記録を残してもらうことが重要です。さらに、事故減価額証明書は、一般財団法人の日本自動車査定協会が発行してくれます。

第三者が公正に査定してくれるので、評価損の交渉には重要な資料です。協会が実施している学科と実技研修を受け、査定士技能検定試験に受かった人が査定をしてくれます。

事故減価額証明書を発行するには、修理見積書の写しと証明手数料が必要です。日本自動車査定協会で査定してもらう評価額は、ディーラーや買取専門店で見てもらうよりも安くなることがありますので、ディーラーや買取専門店で見積もりを出してもらい、それを提出してもいいでしょう。

そして、自分の事例に似た過去の判例では、似ている車種や事故の状況を見つけます。過去に評価損が認められたケースの資料を同封すれば、評価損を認めてもらいやすくなるのです。